士業向けFAXDMの配信時間、原稿作成のコツを解説
公開日:2025-08-18 /
「士業にFAXDMを送ったけど、思ったように反響が獲得できない…」
そんなお悩みはありませんか?
この記事では、FAXDMに初めて取り組む方でも実践できる「士業向けFAXDM」の配信のベストタイミングと、原稿を作る時のポイントをわかりやすく解説します。
最後まで読んでいただくと、
「士業にFAXDMを送って迷惑がられないか不安…」
といったお悩みが解消でき、初めての方でも反応率を高めるFAXDMを作れるようになります。
目次
士業への営業活動にFAXDMは適している?
士業では、紙で手元に残る情報が重視されている傾向があり、「担当者に直接届く」「掲示・回覧されやすい」といったメリットからも、継続的に使われています。そのため、商材・サービスを提案する手段の一つとして、FAXDMは今なお有効です。
とはいっても、士業全般で有効とは言えません。どんな士業なら適しているのか、注意が必要な士業は何かを理解しておきましょう。
おすすめの士業
おすすめは、税理士、社会保険労務士、行政書士です。
今でも役所や顧問先との連絡手段としてFAXが使われていることが多く、FAXの受信環境も整っています。そのため、営業FAXも確実に届きやすい、目を通されやすいという物理的な優位性があります。
また、少人数や個人経営の事務所では、FAXは所長や代表者様の目に触れやすいです。電話営業やメールでは事務担当の方にブロックされがちですが、FAXなら決裁者にダイレクトに届きやすいという特性があります。
注意が必要な士業
特に注意が必要なのは、弁護士と司法書士です。
法律事務所は「不要な営業連絡」を非常に嫌うので、FAXは特に強い拒否感を持たれやすい傾向があります。実際、弁護士会などがFAXDMの配信を迷惑行為として警告している事例もあるため、業界的にセンシティブです。
また、近年はクライアントとのやり取りもセキュリティ重視のITツールへ移行しており、FAX文化が希薄になってきています。
司法書士事務所も、FAXDMの営業は適していません。
不動産登記や相続登記が主業務で、取引先は法務局や個人顧客なので、クライアントとの直接的なFAXのやりとりは非常に少ないのです。紙ベースの業務はあっても、営業FAXへのなじみがありません。
また、紹介での仕事が主流なので、FAXで業務効率や新サービスを訴求しても読み手には刺さりにくい傾向があります。
これらを踏まえて、士業の中でもどんな職種の方にFAXを配信するかを検討しましょう。
士業向けFAXDMで反響率を上げるための3ステップ
反響獲得に必要な準備は主に3つあります。それぞれ順番に解説します。
ステップ1:ターゲットの『士業種別と課題』を明確にする
ひとくちに士業といっても、業務内容や課題はまったく異なるため、『誰に』『何を伝えるか』を具体的にしましょう。この2点が曖昧なFAXでは、一瞬で読み手に「自分には関係ないもの」と判断されて、読んでもらえないからです。
「どの士業に配信すべきか分からない」という場合は、実際の顧客属性や過去の問い合わせ傾向をもとに、絞り込みを検討してみましょう。
また、複数の士業が対象となり得る商材・サービスであっても、1つの業種に絞って訴求内容を決めましょう。複数の目的を達成しようとすると、それぞれの内容が中途半端になって読み手の心にささらないことがほとんどだからです。
1つのDMに対して目的は1つに絞る。これを忘れないようにしましょう。
ステップ2:リストを精査する
FAXDMの反響は、「誰に送るか」で半分以上決まります。古いリストや曖昧な属性のリストでは、反響率が大幅に下がります。士業の種別はもちろん、商材がエリアに大きく関わる場合は、配信先の地域も検討すべきです。
もしも、貴社で保有しているリストがあれば、配信前に必ず見直していただくことをご提案します。「リストがどのくらい前のものかわからない」などの不安がある場合は、リストの購入を検討するのもおすすめです。
※弊社のリストをレンタルして配信いただくことも可能です。お気軽にご相談くださいませ。
リストのレンタルについて相談する
ステップ3:魅力的なオファーを検討する
FAXDMは見込み客獲得を得意とする媒体なので、FAXを見ただけで商材・サービスの導入を決めることは非常に珍しいです。
特に士業の方々は事前に資料等を取り寄せて、「事前に自分でしっかり確認して決めたい」と考えている方が多いため、商材やサービスに関連した「小冊子の無料進呈」や「事例集」などが適しています。
また、サンプルやお試しのように、実際に触れることができるものもおすすめです。
貴社のサービスに合わせて、上記のオファーに近いものが用意できないかを、ぜひご検討ください。
士業向けFAXDMの配信でおすすめの時間帯と曜日
事前準備ができたら、次は配信のタイミングを検討しましょう。これは反響を左右する重要な要素です。士業の業務スケジュールや職員の行動パターンを踏まえると、以下の時間帯・曜日が最適と考えられます。
おすすめの時間帯
1日の大まかなスケジュールは決まっており、FAXを確認できる時間帯は限られます。見てもらいやすいタイミングを調べて、配信しましょう。
- 9:00〜11:00:出社直後の慌ただしさが落ち着き、FAXを確認する時間帯です。外出予定があったとしても、その前に事務所に立ち寄ることが多く、目を通されやすい傾向があります。業務の中で自然に回覧される可能性が高いです。
おすすめの曜日
次は配信におすすめの曜日です。同じ時間であっても、曜日が異なると反響に差が出ることもあります。
平日中盤の火曜・水曜・木曜がおすすめです。業務が比較的安定しているので、FAXを確認してもらいやすくなります。
ただし、この曜日が祝日となっている場合は、配信を避けましょう。祝日は原則休業で、スタッフも不在であることがほとんどです。FAXを送っても確認まで時間がかかったり、他のFAXに埋もれて見落とされたりする傾向があります。
士業向けFAXDMの配信を避けるべき時間帯と曜日
一方で、避けるべきタイミングもあります。FAXDMは目にとめてもらえなければ反響を獲得できません。
- 17時以降:事務所は18時から19時に閉まることが多く、業務終了間際はFAXを後回しにされる可能性が高いです。翌日に見てもらえる可能性はありますが、見落とされやすい傾向があります。
- 月曜:週明けは対応すべき業務が多く、FAXの確認は後回しになりがちです。
- 金曜の午後:その日のうちに対応すべき業務を優先しているため、FAXが手元にあっても確認が後回しにされやすいです。
士業向けFAXDM原稿作成の5つのポイント
「後回しにされない」という一つのハードルをクリアした後は、FAXを読んでもらえるかどうかというハードルが待っています。
これを超えるためには、FAX原稿に工夫が必要です。
中でも特に注目していただきたい5つのポイントを説明します。
ポイント1:興味を持ってもらえるよう、ベネフィットを徹底して考える
FAXDMで反響を獲得するには、商材などを説明するだけではなく、ベネフィットを示すことが重要です。
ベネフィットとは「その商品・サービスを利用して得られるうれしい結果や変化、メリット」を指します。このベネフィットを原稿で示すことができなければ、必要性を感じてもらえません。
例えば、実務の負担軽減や業務効率化など、士業が抱えている課題に直結したメリットを簡潔に打ち出すことが重要です。
ポイント2:冒頭で読み手の共感を獲得する
タイトルをひと目見ただけで「これはうちに必要ない」と判断されると、そのまま破棄されてしまいます。そのため、タイトルで「うちに関係ある案内だ」と感じてもらうことが最優先です。
具体的には、読み手が抱えている課題に寄り添った内容がおすすめです。抽象的な言葉や広告などでよく目にするような言葉を使っても、読み手には必要性を感じてもらえません。「何の案内か」「うちにどんなメリットがあるのか」を簡潔にまとめることを意識しましょう。
ポイント3:提案内容は“ひとつだけ”に絞る
原稿内にあれもこれもとたくさんの提案をしたくなりますが、必ず1つに絞りましょう。
複数を提案しても、「結局何のFAXだったのか分からない」という印象になり、行動を後回しにされるリスクが高くなるからです。そして、FAXDMは後回しにされてしまうと、そのまま忘れられることがほとんどです。
ポイント4:オファーには必ず限定性を追加する
オファーを提示する際、「あとで検討しよう」と後回しにされないよう、限定性を追加しましょう。一度後回しにされてしまうと、そのまま忘れられてしまうことが多いからです。
限定性とは具体的には、お問い合わせ期限やお申し込み数などを指します。どんなに魅力的なオファーでも、限定性がないとなかなかお問い合わせにはつながりません。
以下の例をもとに、限定性も添えましょう。
- 先着10社様限定で、他の税理士事務所で実践済みの『単価アップ事例集』を無料でお送りします
- 本日から○日以内にお問い合わせいただいた方に限り、7日間無料でお試しできます など
ポイント5:FAX返信欄は大きく、最低限の項目にする
FAXDM最大の特徴は「受け取ったFAXに記入してそのまま返せる」ことです。実際に、お問い合わせの8割は届いたFAXをそのまま返信していますので、FAXによるお問い合わせを前提にした原稿を作成しましょう。
人は返信欄が小さかったり、記入項目が多かったりすると、ストレスを感じるものです。記入するのが面倒になってしまい、その場でお問い合わせをやめてしまうのです。ご連絡するのに必要な項目に絞って、大きめの文字でわかりやすく作成しましょう。項目は、以下の5つで十分であることが多いです。
- 事務所名
- ご担当者名
- メールアドレス
- 電話番号
- FAX番号
士業向けFAXDM原稿で注意すべきこと
FAX原稿を作るときには、できるだけ避けた方が良いこともあります。その中でも注意が必要なポイントをお伝えします。
注意点1:過剰な売り込み感を出さない
強い営業色のあるFAXは迷惑だと思われがちです。文末に「!」を使ったり、煽るような文章を多用すると営利目的が前面に出ていると感じられやすく、読まずにすぐ廃棄されてしまう可能性が高いです。
商材・サービスに自信を持つことは良いのですが、受け手の課題に寄り添う姿勢を忘れないようにしましょう。「業務に役立つ情報の提供」や「〜〜の時間短縮を支援」など、事務所が抱えている課題やお悩みの解決につながる方法を提案するのが大切です。
注意点2:士業ごとの業務内容や課題を見極める
士業はそれぞれの専門分野があります。そのため、明らかに関係のない内容だとわかると一瞬で「自分には関係ない」と判断されて破棄されます。
また、明らかに的外れなご案内を送ってしまうと反応が得られないだけでなく、クレームにつながることもあります。
FAX原稿を作成する際は「誰に向けた案内なのか」を明確にすることを意識しましょう。
注意点3:曖昧な表現を避け、知識不足を感じさせない
士業の先生方は日々専門知識で仕事をしているため、表現の粗さや曖昧な説明、誤解を招く記述には非常に敏感です。あくまでも情報を提供するというスタンスを忘れないようにしましょう。「業務をサポートさせていただく」といった敬意を示すトーンで作成するのがおすすめです。
そして、実績を示す時に使いがちな「多くの方に選ばれています」といった抽象的な表現は、他の広告でもよく目にするので説得力に欠けます。実績は貴社に問い合わせるべきだと判断する材料になるため、具体的な数字や事例を使って、論理的かつ客観的に提案することを意識しましょう。
弊社では、FAXDMテンプレートをご用意しています。累計10,000件以上の原稿アドバイスを行なってきた弊社オリジナルのものです。
テンプレートをダウンロードいただくには、会員登録が必要です。貴社名とメールアドレスをご登録いただければ、すぐにご利用いただけます。
なお、費用は一切かかりませんので、この機会にぜひご活用ください。
まとめ:配信タイミングと内容を工夫して反響率アップを目指しましょう
FAXDMの成功は、「目的を明確にすること」「読んでもらえる時間に届けること」が全てです。
士業からFAXDMの反響が得られるかどうか不安に思う方は多いのですが、読み手が「これはうちに必要だ」と価値を感じてもらえるようなFAXなら、お問い合わせいただけます。こちらが伝えたいことを一方的に紹介するのではなく、相手の課題に寄り添う姿勢が成功への近道です。
本記事を参考に「問い合わせたくなるFAX」を届けましょう。